学生の頃はよくお世話になっていた英検。
社会人の間で、
学び直しやスキルアップに英検にチャレンジしてみよう!
という方は意外に多いです。
ですが、「久しぶり過ぎてどこから手を付ければいいのか分からない!」という悩みをスクールの生徒さんからよく寄せられます。
例えば…
・高校で2級取ったけど、今は合格できる自信ないなぁ。
・学び直しって5級からやればいいの?
・英検は久しぶりだけど、仕事では英語を使ってます。何級を受けるべきですか?
などです。
ということで、今回は社会人が久しぶりに英検を受けるときのポイントを3つ紹介します。
できるだけ無駄を省きつつ、着実にスキルアップしたい社会人は必見です!
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英検の基礎知識をおさらい|社会人が目指すべき級は?
ここでは、2016年にリニューアルされた英検の基本的な情報の確認と、目標にするのにオススメの級について解説します。
基礎知識をおさらい
昔から日本の学校では親しみのある英検ですが、実は2016年にリニューアルされました。
変わらない部分もあるのですが、基礎知識として次の3つを確認しておきましょう。
- 各級のレベル
- 試験内容
- 試験結果
まずレベルですが、こちらは2016年以前と変わりありません。
英検の級 | レベル |
---|---|
5級 | 中学・初級程度 |
4級 | 中学・中級程度 |
3級 | 中学・卒業程度 |
準2級 | 高校・中級程度 |
2級 | 高校・卒業程度 |
準1級 | 大学・中級程度 |
1級 | 大学・上級程度 |
試験内容での変更点は、3級以上にライティングが追加されています。
そして、2016年のリニューアル最大のポイントは、試験結果の表記です。
3級以上にライティングが追加されたことにより、英語の4技能を測ることができるようになりました。
英語の4技能というのは、話す、聞く、読む、書くの4つのスキルのことです。
受験級の合否に加えて、4技能全てを評価する英検独自のスコアが算出されるようになっています。
これにより、CEFR(セファール)という国際基準に対応することが可能となりました。
CEFR(セファール)は、
Common European Framework of Reference for Languages
(ヨーロッパ言語共通参照枠)
の略称で、言語能力(英語に限らず)を客観的に評価する国際指標です。
A1~C2の6段階でレベルを示しています。
習得段階 | CEFR | レベル |
---|---|---|
熟達段階 | C2 | ネイティブと遜色のない熟練者 |
C1 | 優れた言語運用能力を有する者・上級者 | |
自立段階 | B2 | 実務に対応できる者・準上級者 |
B1 | 習得しつつある者・中級者 | |
基礎段階 | A2 | 学習を継続中の者・初級者 |
A1 | 学習を始めたばかりの者・初学者 |
出典:関西国際大学
英検がCEFR(セファール)ではどのレベルになるのかは、下の図のようになっています。
出典:英検公式ホームページ
例えば、英検2級を受けて1750点で合格した人は、CEFRではA2と判定されます。
また、2級を満点に近い2500点で合格した場合は、CEFRではB1になります。
では、「何級を目指せば良いのか」を次で解説していきます。
学び直し|目標は英検2級
学び直しが目的の場合は、英検2級を目標とするのがオススメです。
なぜなら、英検2級に合格できる英語力は全ての基礎になるからです。
ここまで基礎をしっかり固めておけば、英検準1級にチャレンジしたり、TOEICにチャレンジしたり、仕事で英語を使ったりと、様々な方面への応用が利きます。
もしTOEICにもチャレンジするなら、英検2級合格後にTOEIC 600点以上を目指すと、無理なく着実にレベルアップが図れますよ!
仕事でガンガン使いたい|目標は英検準1級
仕事で積極的に英語を使っていきたい場合は、英検準1級を目標とするのがオススメです。
英検準1級合格者はCEFRではB1~B2レベルになり、このくらいの英語力があれば、自分の専門分野で海外とのやり取りをスムーズにこなすことができるようになるからです。
更に、TOEICで800点以上のハイスコアを目指すことも可能です。
キャリアアップや転職に、圧倒的に有利になるのは言うまでもありません。
次ではいよいよ「何級から始めるべきか」について解説していきます。
社会人は英検を何級から始めればいいの?
【結論】今の自分のレベルにぴったりの級から始めよう
過去に何級に合格したか、ではなく、今の実力に見合った級から始めましょう。
久しぶりに英検を受ける人の中には、長い間英語に触れていないため、多くを忘れてしまっている人もいると思います。
そのような場合に、過去の結果に照らし合わせて1つ上の級を受験すると、打ちのめされてしまうケースがあります。
例えば、
10年前、高校生の時に英検2級に合格したので、英検準1級にチャレンジします。
というような場合です。
この状態で準1級にチャレンジすると【10年のブランク+2級と準1級のレベル差】を埋めなければならず、相当な努力と時間が必要になることが分かります。
また、逆に、仕事で毎日英語を使うことで以前よりレベルアップしている人もいると思います。
10年前、高校生の時に英検準2級に合格したので、英検2級にチャレンジします。
このような場合は、もしかしたら既に英検2級のレベルを超えている可能性もあります。
上では極端な例を挙げましたが、しばらく英検を受験していない場合は、今の自分にピッタリの級を判定するところから始めましょう。
今の実力の測り方
今の実力を測るには、次の2種類の方法がオススメです。
それぞれ説明していきますね。
中でも一番手っ取り早いのは、CASEC(キャセック)というオンラインテストを受けることです。
CASECとは、24時間365日、どこにいても受験することができる英語のオンラインテスティングサービスです。
試験は最短40分で、結果も終了後すぐに受け取ることができるうえ、英検級の目安を知ることができます。
試験結果には次の情報が記載されるので、今の実力が一目瞭然です。
- CASECの各セクションのスコアと合計点
- 総合レベル
- 各セクションのレベル
- TOEIC目安スコア
- 英検級目安
- 学習アドバイス
今のスコアに加えて、細かなレベルや学習アドバイスがあるのも助かりますね。
料金も1回3,667円とリーズナブルです。
CASECに関するより詳しい情報はこちらを参照してみてください。
【CASEC vs TOEIC】違いと使い分けをプロが徹底解説TOEICとの対比をした記事ですが、「CASEC(キャセック)とは?」で詳しく解説しています。
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CASECで今の実力が分かったら、結果に記載されている英検級目安から始めましょう。
英検級目安+1ではないんですか?
という声が聞こえてきそうですが、ここは敢えて英検級目安からスタートします。
英検5級~英検級目安の間の取りこぼしを埋め、より強固な土台を作ってから次のステップへ進む方が、結果的に上の級に行ってからの伸びが速くなります。
また、「難しい!」と感じるレベルからスタートするよりも、「これならできそう」と思えるくらいの少し易しいレベルからスタートすると、モチベーションが維持しやすくなります。
では、2つ目の方法「英検過去問題を利用する」について、次で解説します。
もう一つのオススメは英検のホームページに掲載されている過去問題を実際に解いてみる方法です。
実際の試験時間と同じになるようにタイマーをセットして一通り、休憩を挟まずに解いてみます。
終わった後はホームページにある解答を見て、自己採点していきます。
残念ながらライティングは自分で採点することができないのですが、それ以外のリーディング・リスニングの正解率で実力を測っていきましょう。
測り方は次の通りです。
正解率が70%以上⇒1つ上の級の過去問題をやってみる
正解率が40%以下⇒1つ下の級の過去問題をやってみる
これをくり返して、正解率が40~60%程度の級から始めましょう。
先ほども言いましたが、「これならできそう」と思えるくらいのレベルからスタートすることが、学習を続けるための秘訣になります。
受験して合格しよう(5,4級は省略可)
学習をスタートした後は、目標の級に到達するまで実際に各級を受験して合格しましょう。
5級や4級は割愛してもOKですが、3級以上は受験することをオススメします。
例えば、このような感じです。
スタート:英検4級
目標:英検2級
英検4級:過去問題で70%以上正解したら3級へ
↓
英検3級:実際に試験を受けて、合格したら準2級へ
↓
英検準2級:実際に試験を受けて、合格したら2級へ
↓
英検2級を受験して合格!
実際に試験を受けることがおすすめの理由は、次の3つです。
- ライティングの採点をしてもらえる
- スピーキングの採点をしてもらえる
- 合格することで自信につながる
そもそもライティングやスピーキングは自己採点ができませんよね。
また、受験することでモチベーションの維持につながったりと、良いことだらけです。
でも、中学生や高校生に混ざって試験を受けるのはちょっと…。
と思っている方!
そんな心配は無用です。
英検には英検S-CBTという受験方式があり、1人1台のコンピューターを使って受験することができます。
2次試験まで1日で完了!?英検S-CBTとは
近年、英検はS-CBTという受験方式が導入されています。
これは特定の会場へ行き、会場に用意されたコンピューターで試験を受けるものです。
出典:英検公式ホームページ
1次試験と2次試験の両方を1日で済ませることができるのが英検S-CBTの大きな特徴です。
出典:英検公式ホームページ
ただ、受験料は従来の英検に比べるとS-CBTの方が少し高くなります。
1日で済ませられるメリット、1人で集中できる環境で受験できるメリットなどと天秤にかけると良いと思います。
ちなみに、英検S-CBT方式で受験できるのは3級~準1級のみで、5級、4級、1級は従来の受験方式になります。
では、実際に英検の勉強をスタートさせる前に、学習のコツを解説します。
毎日忙しい社会人だからこそ、無駄を省きつつ、しっかりとポイントを押さえて効率よくレベルアップしていきましょう。
英検の学習を成功させる!社会人向け3つのコツ
ひとつずつ解説していきますね。
【学習のコツ①】英語力の全体像を知ろう
意識している人は少ないと思いますが、英語力の全体像は下の図のようになっています。
単語・文法・音(発音)が土台にあって、その上に読む、聞く、書く、話すの各スキルが積みあがっていきます。
突然話は変わりますが、筋トレって興味ありますか?
筋トレが趣味の方に訊くと、
今鍛えている筋肉を意識する
とか
どの筋肉とどの筋肉がつながっているか知る
などが筋トレには重要と言います。
これは実は英語も同じです。
英語力の全体像を知ることは、次のようなメリットがあります。
- 学ぶ順序が分かる
- 弱点を克服するために何をすればよいか分かる
- 今取り組んでいることの理由が明確になる
迷うことなく、今やるべきことに集中する。
学習を進める上でとても大切なことですよね。
例えば、
あれ?なんで最近単語ばっかりやってるんだっけ?
なんて迷ってしまった時には全体像を思い出してみてください。
単語は4つのスキルを支える土台になっていますね。
しっかりした土台が無くては、長文も読めませんし、リスニング問題にも正解できません。
英語の全体像を知っていることで、いま自分が取り組んでいることの重要性を確認できたり、次に何をすべきなのか、自ずと分かってくるはずです。
【学習のコツ②】基礎を固めよう
基礎はどんなジャンルでも大切なのは、皆さん知っていることですね。
英語の基礎は、全体像の土台である、単語・文法・音(発音)になります。
学習を始める時は、必ずこの3つが十分に身に付いているか確認してください。
もしどれかが足りないなら、実践問題集や過去問題集をやる前に、しっかりと固めておきましょう。
単語が足りなければ、長文問題を読んでも意味がイマイチよく分かりません。
文法が足りなければ、1文が長くなるほど意味不明になる上、ライティングでまともな文章が書けません。
音が足りなければ、リスニングがなかなか伸びません。
単語の覚え方はこちらで詳しく解説していますが、ポイントは声に出しながら学習することです。
英単語の覚え方|プロが教える賢い暗記術単語+音をセットにして練習することで正しい発音も同時に身に付き、リスニングにも役立ちます。
文法も同様に声に出して仕上げていきます。
そうすることで、スピーキングを同時に鍛えることができ、とても効率が良いです。
英文法の覚え方|プロが教える3ステップ学習法基礎がしっかりとしている人は、他の4技能(読む、聞く、書く、話す)の上達がとても速いです!
単語の暗記や文法は苦手という人が多いですが、後の伸び悩みを防ぐためにも基礎から見直しましょう。
【学習のコツ③】easy→difficultの順に進めよう
基礎固めが終わったら、いよいよ4技能のトレーニングです。
3つ目のコツは易しい分野から始めることです。
平均的な日本人学習者にとって、4技能は次の順に難易度が上がっていきます。
何度も言いますが、学習のコツは「易しいところから始める」です。
難しいところから手を着けると、高い壁を超えるためのエネルギーも時間も沢山必要になることから、合格する前に挫折してしまうリスクが高くなります。
ですので、基礎固めが終わったら、英検の筆記試験(英作文を除く)からトレーニングをしていきましょう。
リーディングを上達させるコツは、精読でしっかりと英文の構造と意味を理解し、音読で仕上げることです。
音読で仕上げることで、読むと同時進行で英文の構造と意味を理解する力を鍛えることができます。
英語のリーディング勉強法|初心者でも絶対身に付く7ステップまた、リスニングの基本的な考え方は、「自分で言えるものは、必ず聞こえる」です。
こちらもしっかり声に出して練習するのが一番の近道です。
英語のリスニング勉強法|初心者でも絶対上達する10ステップただし、英作文と面接については、自分一人では良し悪しが分かりません。
特に英検準2級以上は書いたり、話したりする内容が難しくなってきます。
そこで、この2つについては、有料サービスの利用を強くオススメします。
おすすめの有料サービスは次の通りです。
- 1カ所でまとめて対策するなら → オンライン英会話ベストティーチャー
- リーズナブルに対策するなら → DMM英会話 × オンライン英語添削アイディ―
それぞれの概要をまとめてみました。
プロからアドバイスをもらうことは、英検だけでなく、将来どこへ行っても通用する英語力を養うことに大きな役割を果たします。
短期間でも良いので、積極的に取り入れましょう。
英検対策におすすめの教材
英検は各級の出題範囲と難易度が決まっているので、どの教材でもOKです。
一つポイントとしては、解説が丁寧で分かりやすいものを選ぶと勉強がはかどります。
当ブログではこちらの記事でおすすめの教材を紹介していますので、参考にしてみてください。
タイトルは「TOEIC初心者向け」ですが、単語編・文法編・リスニング&リーディング編では英検向けの教材をピックアップしています。
TOEIC初心者向けの参考書|プロが選んだ本当に役立つ16冊英検こそ社会人におすすめ|その理由とは
これは完全に個人的な見解ですが、英検は社会人にとてもおすすめの試験です。
社会人=TOEIC
と思われがちですが、多くの方が受験しているTOEIC L&Rは、文字通りリスニングとリーディングの2つの技能しかテストされません。
もちろんこの2つはとても大切な技能なのですが、実際の現場では十分とは言えません。
TOEICでリスニングとリーディングを伸ばすことで、情報を受け取ることができるようになります。
しかし、実際の仕事では、メールを書いたり、クライアントと話したりと、こちらから情報を発信する力が求められます。
つまり、現場では4技能全てが必要なんですね。
そういった意味で、英検を受験することは、どんな場面でも通用する英語力を養うよい機会になります。
英検対策で基礎+4技能を高め、世界で通用する本物の英語力を手に入れましょう!
まとめ
今回は、久しぶりに英検を受ける社会人向けに、どこから手を着けるべきかをお話してきました。
- 目標を決める(学び直し⇒2級/仕事で積極的に使う⇒準1級)
- 今の実力にピッタリの級から学習を始める
- 実力を測るにはCASEC(キャセック)か過去問題を利用する
- 学習は基礎固め=単語・文法・音(発音)から始める
- 読む→聞く→書く→話すの順にトレーニングする
- 英作文と面接の練習は有料サービスがおすすめ
- 目標の級に到達するまで、各級を実際に受験して合格する
オンライン英会話ベストティーチャーで英作文&面接対策をする
DMM英会話で面接対策をする
英語添削アイディーで英作文対策をする。
I hope you achieve your goals!
応援していますよ!