Hello! 英会話スクール講師のKIKOです。
あなたは英単語を覚えることを苦手に感じていませんか?
そもそも単語の学習ってひたすら暗記でつまらないし、せっかく覚えてもすぐ忘れちゃったりしますよね。
でもそれは、あなたが英語が苦手だからではありません!
人間の脳の特性上仕方のない部分があるので、多くの人が同じ悩みを抱えています。
逆を言えば、脳の特性に合った方法で学習することで、今までの何倍も速く単語を覚えることができるようになります。
今回は、英単語が覚えられない理由と効率的な学習方法を解説していきます。
- 英単語が覚えられない理由
- 覚えるための3つのコツ
- 効率的な覚え方
この記事で紹介している覚え方は、初心者~上級者までずっと使えるいわば保存版。
最後まで読んで絶対に損はありませんよ!
この記事の目次
英単語は財産
あなたは英語力の全体像を知っていますか?
英語力というのは、次の3つの土台と4つのスキルから成り立っています。
この図から分かるように、英単語は3つの土台のひとつです。
このうち、【音】は単語や文法の学習の中で同時に身に付けていきます。
ですので、正しい方法で単語を学習することで、3つの土台の2つをカバーすることができます。
単語をたくさん覚えることで、土台が大きく強固になり、全体をしっかりと支えることがきることが分かりますね。
しかも4つのスキル全てに直結しているので、後でスキルを伸ばす時に習得スピードが速くなります。
実は私は学校の英語がとても苦手で、英会話スクールで話すことを中心に学習していました。
確かになんとなく話せるようにはなりましたが、単語をしっかり覚えてからは爆発的に全てのスキルがレベルアップしましたね。
この辺りのことはプロフィールで詳しくお話しています。
英単語が覚えられないのはなぜ?
英単語の学習は学生のころからずっとやっているにもかかわらず、なかなか覚えられないと思いませんか?
いざ英単語を覚え始めても、数日もすればほとんど忘れてしまっていてがっかりしますよね。
それには2つの理由があります。
ひとつずつ解説していきますね。
人間の記憶の仕組み
記憶について研究を行った心理学者ヘルマン・エビングハウス博士は、物事を覚えていられる時間について表した「エビングハウスの忘却曲線」を生み出しました。
グラフの赤い線が、覚えてから数日経過したときの覚えている割合を示しています。
1日経過した時点で33.7%、2日経過すると27.8%と割合は減少していきます。
グラフには表されていませんが、細かなデータも報告されています。
経過した時間 | 覚えている割合(%) |
---|---|
20分 | 58.2 |
1時間 | 44.2 |
9時間 | 35.8 |
1日 | 33.7 |
このグラフだけ見ると恐ろしいですよね。
せっかく覚えたのに、たった20分で42%も忘れているなんて…。
ですが、その後の研究で、定期的に復習することで長期的に記憶できることが分かっています。
3回復習したときと、一度も復習しなかったときの差は歴然ですね。
さらに最新の研究では、一度覚えたものはすっかり忘れるのではなく、単に取り出しにくくなっている状態だということが分かってきました。
この研究を行ったロバート・ビョーク博士により、記憶とは「保存と検索」が別々に機能することだと解明されました。
簡単に説明するとこのような内容です。
「保存」とは覚えること
- 一度保存されたものは忘れることはない。
- 保存の容量は莫大で、一生分の出来事を保存できる。
「検索」とは「保存」したものを取り出すこと
- 検索は力が弱いが、トレーニングで向上できる。
- しかし、使わないとまた弱くなる。
「検索」は筋肉のようなイメージですね。
筋トレする ⇒ 筋肉痛になる ⇒ 筋肉が増える
筋トレさぼる ⇒ 筋肉使わない ⇒ 筋肉が減る
ちなみにロバート博士によると、「いったん忘れたものを思い出す」時が一番「検索力」を向上できるそうです。
ド忘れしていたことをようやく思い出いだした!というような経験は、その「忘れていたこと」をより定着させる効果があるようですね。
トレーニングで記憶は鍛えることができるというのは、励みになりますね!
イメージの欠如
では、単語を覚えられない2つ目の理由について説明しますね。
唐突ですが、あなたは単語帳を使ってひたすら英単語を暗記するとき何を見ていますか?
ちょっとおかしな質問ですが、答えは「文字」ですよね。
例えば、”international”という単語を覚えるとします。
こんな風に覚えませんか?
international 国際的な
international 国際的な
international 国際的な…
単語帳につづられた英単語を見ながら、赤シートで日本語の意味を隠し、念仏のように唱える人も多いと思います。
この方法は間違いではありません。
しかし、この方法で長期的に覚えていることは難しいと言われています。
先ほどお話した「保存と検索」で説明すると、「検索」するときに何か手がかりがあった方が、記憶を取り出しやすいからです。
ロバート博士によると「イメージ」は特に大きな手掛かりになるそうです。
これには私も経験があります。
internationalの例のような方法で覚えた単語よりも、実体験を伴う単語の方がよく覚えています。
例えば”usually”(たいてい)という単語。
これを習ったのは中学1年生のときです。
私のクラスには”ゆうじ君”という、ちょっとやんちゃなクラスメートがいました。
英語の土屋先生がこの単語の発音と意味を紹介するとき、こう言いました。
この単語は”ゆうじわりぃ”と読みます。
たいていイタズラばかりしているゆうじ君にピッタリですね。
発音の良し悪しはともかく、usuallyの発音と意味を一発で覚えたのは言うまでもありません(笑)
全ての単語にこのような鮮明な体験が伴うことはまず無理ですが、無機質な文字だけではなく、イメージも一緒に刷り込むほうが覚えやすいということですね。
こちらの解説の一部は「脳が認める勉強法」を参考にさせていただきました。
もっと詳しく知りたい方は、ぜひご一読ください。
英語だけでなく、全ての学習に応用できる勉強法が科学の視点から専門的に書かれています。
ではいよいよ、この記憶の仕組みを応用した、英単語の覚え方のコツを次で解説していきますよ!
英単語を覚えるたった3つのコツ
単語を覚えるときは、次の3つを意識することで速く・確実に単語を覚えられるようになります。
ひとつずつ解説していきます。
音
単語を学習するときは、正しい発音もしっかりと覚えましょう。
音が分からないと、リスニングやスピーキングで使えないからです。
単語と音をバラバラに学習するのは非常に効率が悪いので、同時に身に付けましょう。
実践の仕方は至って単純。
声に出して練習することです。
最初は付属のCDなどの音声を使って発音のマネをし、最終的には音声なしでネイティブのようにカッコよく発音できるようになるまで練習しましょう。
イメージ
イメージをつけて単語を覚えましょう。
イメージがある方が覚えるのが簡単になりますし、いざ使いたい時も思い出しやすいです。
イメージをつける時は、連想ゲームをします。
“international”(国際的な)を例に説明していきます。
international ⇒ 国際的な ⇒ 国際的な人 ⇒ 小池さん(外国人と結婚)
こんな感じです。
ここではできるだけ具体的なイメージをつけるために、身近なレベルまで連想を掘り下げることがポイントです。
くり返し
前の章で述べた通り、単語を覚えるにはくりかえした回数がとても重要です。
しかも少し時間を空けてから繰り返す方が、短時間で何度も行うよりも効果が高いと言われています。
1時間×3日 > 3時間×1日
例えば同じ3時間の勉強でも、1時間を3日連続で行う方が学習効率が良いということですね。
では、この3つのコツを押さえた具体的なトレーニング方法を紹介していきます。
英単語の覚え方
ここでは、おすすめトレーニング方法を紹介します。
前の章で説明した3つのコツを意識しながら実践してください!
量:1週間で100個
時間:1日1~2時間
<実践のポイント>
- 100個の単語を1週間、毎日くり返し覚える
- 最低でも毎日1周する
- 週の前半は音とイメージを意識して取り組む
- 週の後半はくり返しの回数を意識する(1日2~5周)
では、1週間のモデルスケジュールを見ていきましょう。
⇒ 発音できるようになったら次の単語へ(①に戻る)
③のイメージは前の日と違っても良い
発音を完璧に仕上げる
⇒ 5秒以内に意味が出てこない時は諦める。
⇒ 赤シートを外して意味を確認し、もう一度イメージをつけて、次の単語へ。
すべての単語が、読んで1秒で意味が言えることを目指す。
すべての単語が、読んで1秒で意味が言えることを目指す。
1日目がいちばん時間がかかります。100個でだいたい2時間くらいです。
しっかり時間が取れる日を1日目に設定すると始めやすいですよ!
どうしても2時間取れる日がない人は、1日目の作業を2日間に分割しても良いです。
1日目と2日目に50個ずつ取り組み、3日目からは100個全部覚えていきます。
その場合は1日ずつトレーニングメニューをずらし、7日目を削りましょう。
このトレーニングを実践していくと、10週間(約2カ月半)で1000語覚えることができます。
始めてみると意外と大変だと思います。
ですが、「単語が覚えられない理由」でお話した通り、トレーニングすればするほどすんなり覚えられるようになってきます。
諦めずに続けましょう!
毎日3時間以上取れる人は1週間に覚える単語を150個や200個に増やしてもOKですよ!
使用すべき教材はこちらで紹介していますので、参考にしてみてください。
TOEIC初心者向けの参考書|プロが選んだ本当に役立つ16冊覚えたはずの単語が思い出せない・・・そんな時こそチャンス!
英語の学習を続けていくと、「暗記したはずの単語の意味が出てこない!」という場面に出くわすと思います。
あんなに努力して覚えた単語を忘れてしまっていることは残念に思うかもしれませんが、実はそんな時こそより確実に覚えられるチャンスです!
この記事の前半で記憶の「保存」と「検索」についてのお話をしました。
そこでも少し出てきましたが、
ド忘れしたことを思い出すとき = 「検索」が大きく伸びるとき
です。
例えば、試験に向けて長文問題を解いていたとします。
そこに前に覚えははずなのに、意味がどうしても出てこない単語があります。
あなたは、
この単語、パス単でやったなぁ。
発音は分かるけど、意味が全然思い出せない。。。
と思うことでしょう。
そして、この単語の意味を調べ、「あー、そうだった!」となるわけですね。
このように忘れてしまっていたものを思い出させる作業で「検索」が鍛えられ、より鮮明に記憶することができるようになります。
思い出せない単語があってもがっかりすることはありません!
より長く記憶するためのチャンスと捉えましょう。
まとめ
今回は、英単語の覚え方について解説してきました。
- 英語力の土台は単語、文法、音でできている
- 単語が覚えられないのは、記憶の仕組みが関係している
- 単語を覚えるには、音、イメージ、くり返しの3つが重要
- 1週間で100個覚える
- 覚えるときは音とイメージも一緒に
- 100個を毎日くり返す
- トレーニングを続けるほど覚えるのは速くなる
英単語は財産。
これを忘れずに日々の学習に励みましょう!
A journey of a thousand miles begins with a single step!
(千里の道も一歩から)