TOEICと言えば、ビジネスシーンでの英語資格の代名詞ですよね。
- 就職活動までに600点が欲しい
- 500点を取って報奨金をもらおう
- 仕事で海外とのやりとりが増えてきた
など、動機は様々です。
TOEICの需要は年々増し、ネット上でも「2カ月で200点アップ」のような広告がここ数年で本当に増えました。
この謳い文句だけを見ると、500点や600点は案外簡単に取れるのでは…?
と思われがちですが、それは違います!
広告の謳い文句が真っ赤なウソという訳ではありませんが、初心者にとってはTOEICそのものがハードルが高いことが多いです。
なぜなら、TOEICは中・上級者向けの試験だからです。
では、どうすれば良いのか?
大丈夫です!
初心者もやり方次第でスコアを伸ばすことはできますよ♪
今回は初心者がTOEICでスコアを伸ばすことが難しい理由と共に、対策方法を解説します。
- 初心者が目指すべき点数
- TOEICが初心者向けではない理由
- TOEIC対策の始め方
- おすすめ教材
この記事を最後まで読めば、初心者でも着実にステップアップできる方法がきっと分かるはず。
特に、TOEIC 500点未満の方は必見です!
自分のTOEICスコアが分からない方は、CASEC(キャセック)を受けてみてください。
たった40分でTOEICスコアを調べられます。
この記事の目次
初心者の特徴と目指すべき点数
KIKOえいごでは、”初心者”を次のように定義しています。
- TOEIC 500点未満 または 英検2級未満
理由は次の2つです。
- 満点(990点)のおよそ半分に当たる500点が中級者と初心者との境目と考えられる。
- TOEICの公式データより、英検2級保持者のTOEICスコアは550点程度と算出されている。
ちなみにTOEIC公式eラーニングでも、「初中級者向け500点突破カリキュラム」というものが紹介されているので、やはり500点がひとつのラインのようですね。
初心者の英語レベル
TOEIC500点未満は、英検5~準2級と同等です。
英検5~3級は、中学校1~3年生の実力に相当します。
英検準2級は、高校1~2年生の実力に相当します。
初心者が目指すべき点数
初心者がまず目指して欲しいのが600点です。
TOEIC600点というのは、一般的に履歴書に書ける点数の最低ラインです。
TOEIC600点になると、次のようなことができるようになります。
TOEIC500点未満の人は、まず600点を目標にすればいいんですね。
でも、どうしてTOEICは初心者に向いていないんですか?
TOEICは結果がスコアで算出されるから、初心者が受けても努力した分だけスコアは伸びていくのでは?
残念ながらTOEICの性質上、それは難しいと私は思っています。
次で、初心者はスコアが伸びにくい理由を説明しますね!
初心者はTOEICスコアが伸びにくい3つの理由
ひとつひとつ解説していきますね。
理由①|そもそも中・上級者向け
前の章では初心者の定義についてお話しましたが、逆を言えば、中級者は次のように定義することができます。
- TOEIC 500点以上 または 英検2級以上
英検2級保持者のTOEICスコアは550点程度と算出されていて、TOEICの平均点はおよそ600点です。
つまり、TOEICは英検2級を持っている人くらいのレベルを基準にデザインされた試験なんですね。
ちなみに英検2級というのは高校卒業程度の英語力を意味します。
・・・・意外とレベルが高いです。
厳しい言い方をすれば、
- 中学までは英語得意でした!
- 英検3級持ってます!
では通用しないってことです。
理由②|読む量がハンパない
TOEICを受けたことがある方ならもうご存知の通りだと思いますが、TOEICの問題構成は次の通りです。
リスニング(45分) | 100問 | リーディング(75分) | 100問 |
---|---|---|---|
パート1 | 6問 | パート5 | 30問 |
パート2 | 25問 | パート6 | 16問 |
パート3 | 39問 | パート7 1つの文書 | 29問 |
パート4 | 30問 | パート7 複数の文書 | 25問 |
長文問題のパート7は全部で54問。
リーディング全体の半分以上にあたります。
20種類以上ものメールやら新聞記事やらを英語で延々と読んで問題に答えなければなりません。
しかもリーディングパートの制限時間は75分。
1問1分ペースで解いていたら到底間に合いません!!
実際に私のスクールに通う生徒さんに1番多い悩みが、”時間内に解き終わらないこと” です。
リスニングパートも侮れません。
回答の選択肢の1つ1つが長い文であることも多いので、途中からリスニングが追い付かなくなってきます。
このように、TOEICは読む量が多すぎて、初心者には問題を全て解き切ることすら難しいのです。
問題が全部解けない状態では、なかなかスコアは上がらないですよね・・・。
理由③|採点方法が初心者には不利
TOEICのスコアは特殊な計算で求められています。
公式ホームページでは次のように説明されています。
スコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、スコアの同一化(Equating)と呼ばれる統計処理によって算出された換算点(Scaled Score)です。
TOEIC公式ホームページ:テスト結果について
ちょっとこの表現では分かりにくいのですが、具体的にはこのようなことを意味します。
- 1問ごとに配点が違う
- 配点は試験終了後に受験者の正答率から求められる
- 極端に簡単だった問題は採点から除外される
- 極端に難しかった問題は採点から除外される
ここで初心者にとってネックになるのが、1番目と3番目です。
TOEICでは様々なレベルの問題がいっしょくた出題されます。
その中で初心者でも自信を持って解けた問題が、”極端に簡単だった”と判断されてスコアに反映されなかったり、全体の正答率が高いがために配点が少ない、という事態が起こり得るのです。
初心者がTOEICのスコアを伸ばすには、まず中級レベルの力をつけ、それなりの難易度の問題もこなせるようになることが、結果的に一番の近道になります。
ということで、初心者が中級レベルの力をつける方法を次で解説します!
3ステップで今日から始める!初心者向けTOEIC対策
ここでは、初心者が中級レベルの力をつけるためにやるべき最初の3ステップをお話します。
- 今の英語レベルを知る
- 目標設定とスケジュールを立てる
- 英検の学習を始める
今回は富士登山に例えて、それぞれ詳しく説明していきます(笑)
ステップ①|今の英語レベルを知る
まず、今の自分のレベルを知り、目標との差を明確にするところからスタートします。
例えば、富士山に登るのに、どこから出発するのか分からないと、困りますよね?
5合目にいるかもしれませんし、麓かもしれませんし、あるいは都内だったりして!?
出発点が明確になることで、進むべきルートやかかる時間が見えてきます。
その辺りのことが明確になるだけでも気持ちがスッキリしてきますよね。
今の自分のレベルを知るには CASEC(キャセック) というテストがおすすめです。
CASECについてはこちらで詳しく解説しています。
【CASEC vs TOEIC】違いと使い分けをプロが徹底解説あまり一般には知られていませんが、TOEIC目安スコアと英検の目安級はかなり精度が高いです!
⇒CASEC(キャセック)で英語レベルを測定する
ステップ②|目標を設定し、スケジュールを立てる
自分のいまのレベルが分かったら、目標設定とざっくりとしたスケジュールを立てましょう。
目標を設定するときは、2種類のゴールを立てていきます。
- 最終ゴール
- 途中の小さいゴール
途中の小さいゴールはいくつかある方が良いでしょう。
例えば、富士登山でも、よほどの上級者でない限り日帰り登山はしませんよね。
ふつうの人は徐々に高地に体を慣らしていかないと高山病にかかってしまいます。
時には山頂まで行けずにリタイアを余儀なくされることもあります。
通常は次のような手順を踏んで、安全かつ着実に登っていきます。
河口湖駅へ行く
↓
5合目で体を慣らす
↓
8合目の山小屋で1泊
↓
翌朝に山頂で朝日を拝む
英語も同じイメージで考えるとゴールを設定しやすいと思います。
ここで注意したいのが、小さいゴールを”TOEIC 〇〇〇点”にしないこと!
前の章でお話した通り、初心者はとにかくスコアが伸びにくいからです。
代わりに、英検を小さいゴールに設定することをおすすめします。
- 自分に合ったレベルから学習をスタートできる
- 着実にステップアップしていける
- 結果が合格/不合格と分かりやすい
- 次のレベルまでの距離が一目瞭然
- スピーキングとライティングも身に付く
具体的には、CASECの結果にある「英検の目安級」を最初の小さいゴールに設定します。
そして、英検2級まで合格したらTOEICにチャレンジしていきます。
ざっくりとしたスケジュールが決まったら、最初の英検を受ける日を決めましょう。
英検は毎年1月、6月、10月の3回行われています。
また、英検はS-CBTといって、決まった会場へ行ってコンピューターで受けるタイプもあります。
S-CBTは毎週土曜日に行われているので、都合を合わせやすいという利点があります。
しかも、S-CBTは1次試験と2次試験がまとめて1日で受けられるんですよ!
1次試験の結果を待つ必要がないので、とても効率的ですね♪
ステップ③|英検の学習を始める
見通しがたったところで、さっそく英検の学習を始めましょう!
・・・どうやって?
学習の始め方・進め方も富士登山と同じように考えると分かりやすいです。
例えば、富士登山で最初のゴール”河口湖駅”へ出発する前に、みなさんは何をしますか?
- NAVITIMEで行き方を調べる
- 持ち物を準備する
とかですよね。
英検でも同じです。
- 行き方 → 学習スケジュール
- 持ち物 → 教材
英検の学習スケジュールの王道は次の通りです。
受験する級によって多少の違いはありますが、ほとんどの場合、
単語 ⇒ 文法 ⇒ 実践問題 ⇒ 2次面接練習
の順に進めていけば間違いありません。
ただし、学習の仕方にはちょっとコツがあります。
単語と文法の学習に ”音=自分の声” を加えることで、リスニングやスピーキングでも使えるようになります。
英語のすべての基礎は単語、文法、音にあり!
なんでも声に出して練習しましょう。
バランス良く、効率良く学習できますよ♪
更には、長文対策やリスニング対策でも声に出してトレーニングすることで効果倍増です!
英検の学習教材の王道は次の通りです。
単語 ⇒ 旺文社 「英検〇級でる順パス単」
文法 ⇒ Gakken 「中〇英語をひとつひとつ分かりやすく」
実践問題 ⇒ 旺文社 「英検〇級 過去6回全問題集」
2次面接練習 ⇒ 旺文社 「英検〇級 二次試験・面接 完全予想問題」
英検準2級や3級から学習を始める方で、中学英語に自信がない場合は、中学レベルの総復習をしてから英検対策を始めるのがおすすめです。
TOEIC初心者向けの参考書|プロが選んだ本当に役立つ16冊まとめ
今回はTOEICが初心者に向いていない理由と、対策についてお話してきました。
- TOEIC500点未満の初心者は、まず600点を目指す
- TOEICは試験のデザイン、分量、採点方法で初心者には不向き
- 中級レベルの力をつけてからTOEICにチャレンジする
- 中級までは英検を使ってステップアップしていく
- 単語と文法から学習を始める
- 学習するときは何でも声に出す
⇒CASEC(キャセック)で今のTOEICスコアを測定する
これらの事を参考に、今日から学習をスタートしましょう!
Practice makes perfect!(継続は力なり)